「壁」とは

「壁」とは

神戸という地名は全国各地に存在するが、共通するのは吃立する「壁」がある点。それを神の戸と表現した古代の人々に拍手したいくらい、素晴らしいネーミングだと思う。天の岩戸に通じる自然に対する敬虐さがにじみ出ている。「かく」というネーミかんベングの背景には、この神戸があるのではないか。古代の住居に壁はなかった。内部は地面を掘り下げた土間、それを屋根が地面まで覆っていた。しかし、床を地面より高く上げた方が衛生的だし居住性もいいから、屋根を柱で持ち上げ、持ち上げた分だけ外敵の浸入を防ぐためにも塞がなくてはならない。こうして「壁」が誕生したのだが、それによってそれまで以上に大きな影が生まれることに、なんだか自然の神様に申しためら訳ないな-、といった謙虚さと跨曙いが隠されているような気がする。このように理解すると、家づくりに必要なのは自然や隣人に対する謙虚さ、跨踏い、思いやりではないかと思えてくる。〈かく〉に近い音で構成される言葉に〈かぶ(株)〉がある。木の株、株式の「株」である。株式は後世の産物だから別にして、木の「株」もどっしりと根付き、引き抜こうにも除去することが困難な存在、場合によっては邪魔な存在だ。〈か〉という音には、〔潜在する生命エネルギーが発現する兆し〕というなんだかわけの分からない意味がある。〈お・か(丘)〉だと、エネルギーが発現し、続いている状態ということになる。隆起している状態をそのように理解していたわけである。〈へ〉にも〔継続する〕という意味があり、それもその先端というニュアンスがある。だから〈か.へ(べ)〉とは発現するエネルギーの最先端(表面)ということになる。外部の厳しい自然条件を跳ね返す強いエネルギーが外壁に求められるのは言うまでもない。

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